児童自立支援施設とはどういった施設か
児童自立支援施設とは、児童福祉施設の一つとして厚生労働省の管轄のもと設置をされる場所です。
対象となっているのは主に非行問題を起こした行動上問題のある子供たちで、施設内では職員とその子供や家族が一緒に敷地内に住みそこで更生をしながら新しく生活をしていくための指導を行うということが行われています。
児童自立支援施設はもともと「教護院」という名称で運営されてきた組織であり、平成9年の児童福祉法改正まではどちらかといえば地域で問題のある家庭や子供と家族的な関わりをしながら対応をしていくところとして伝統的な運営がされてきました。
かつては職員として夫婦が問題のある子供やその家族と一緒に小舎に住み込み、「小舎交代制」という支援方法で常に様子を監視しながら指導していくというような方法がとられていました。
この小舎交代制は歴史をたどればなんと1世紀以上も前から行われてきたとされていますが、現在では少しずつ方法を変えてより職員と家族たちのためになるような施設運営にシフトをしてきています。
現在の児童自立支援施設の問題点
児童自立支援施設は児童福祉法に基づき各地に設置されています。
各都道府県の管轄により運営がされており、全国でおおよそ60ヶ所となっています。
児童自立支援施設での入所対象者はまず18歳未満の男女であるということと、以前に家庭裁判所で児童自立支援施設を利用するようにという保護処分を受けることです。
他にも全国の児童相談所に非行や虐待のため保護者が適切に同居をすることができない場合にも同意に基づき入所をすることになっています。
入所中は児童自立支援施設内の寮で生活をしながら学校に通ったり課外活動に参加をしたりすることになります。
ただし寮といっても世話をすべてスタッフが行うのではなく、清掃などの家事業務は生活をする子供たちが分担して行うことになっています。
最近の傾向としては一度入所をした子供が長期的に入ることになるケースが多いということと、それまで多かった非行による入所ではなく虐待や発達障害による子供が増えてきているということです。
施設においても特定の人がずっと寮を管理するのではなく、他の福祉施設同様職員が交代制で対応をすることになっています。
年々子供たちをとりまく状況は複雑多様化してきており、今後はそうした問題にどのような体制で受け入れをしていくかということが問われています。
保育士資格以外にも業務で必要なスキル
保育士として資格取得のための勉強をしているときには、主に未就学児童を対象にした子供の世話ということを行いますが、児童自立支援施設においてはそうしたものよりももっと心理面での子供のケアが大切になってきます。
児童自立支援施設に入所してくる子供の多くは、窃盗や傷害などの事件を起こした過去があり、他にも家出をしたり薬物乱用、飲酒・喫煙などを繰り返したことがあるなどかなりハードな過去を持っています。
そうした子供たちに対応をするためには保育士としての知識だけでなく自立支援のための勉強や経験を積んでいくことが大切になります。