児童家庭支援センターとは
児童家庭支援センターとは、厚生労働省管轄の児童福祉施設の一つであり地域に暮らす子供たちに関する相談を全般的に受け付ける場所となっています。
同じような役割をする場所として児童相談所がありますが、児童相談所が児童福祉法第12条にもとづき都道府県および政令指定都市に設置されることとなっているのに対し、児童家庭支援センターはその地域の行政が独自の基準で設置することができるということが最も大きな違いになっています。
地域によっては児童家庭支援センターと児童相談所を明確に線引するのではなく、同じ施設内に併設しているところなどもありその自治体がそれぞれ地域の実情に応じて使い分けをしています。
児童相談所はその地域に暮らす子供たちにとっての最終的な救済場所として重要な機能を持っているため、もし通報などにより近隣で虐待の疑いがある子供がいた場合には積極的な介入や一時保護ができるようになっています。
一方で児童家庭支援センターはあくまでも自治体が設置する相談窓口であるため児童相談所のような強制力はなく、あくまでも相談を受け付けてそこから適切な支援を提案していくということが業務になっています。
地域の他の施設と連携をとっていきます
ですが児童家庭支援センターは相談のみで全く実効性のある行動をとらないわけでもありません。
児童家庭支援センターで勤務をするスタッフは受け付けた相談内容に対して他の児童福祉施設と連携をとり、場合によっては強制力がとれるようなところに働きかけもしていきます。
例えば特定の児童が明らかに劣悪な状況で生活をしていることが疑われるときや、人権侵害や生命の危機的な状況にある場合には児童相談所に通報をしたり、行政処分に必要な手続きをしていったりします。
近年では虐待やその疑いがある家庭であってもなかなか自治体組織が介入することができにくいという点が問題点として指摘をされていますが、それに対応するべく迅速な対応ができるよう日々改善努力が進められています。
スキル以上に覚悟が必要になる場合も
児童家庭支援センターでは相談を受け付けるスタッフには、それまで実際に福祉の現場で働いたことのある経験者を優先的に採用しています。
保育士の他にも社会福祉士や臨床心理士、精神保健福祉士といった福祉系資格がある人が実際に対応にあたっていることがほとんどです。
そのためもし児童家庭支援センターに勤務をしたいと思っても、資格をとったばかりの人がいきなり採用されるということはまずほとんどなく、逆に出産を期に現場を離れた人や定年で退職をしたというような経験者が多くなっています。
実際の業務内容は相談ですが、対応する事例はかなり厳しい内容になることもよくあり、そうした時には大きな覚悟を持って望まなくてはいけないということもあります。