改善するための取り組み
保育士不足を解消するために、国や自治体がさまざまな方法で動いています。
ほかの項でも触れましたが、保育士不足の一番の原因として低賃金であることが挙げられるので、この賃金の問題を解消しようと、各自治体が賃金アップに動きだしています。
それでもまだまだ足りないと感じる保育士も多いようですが、少しでも賃金が上がることで、徐々にですが保育士の応募も増えてきているようです。
また、保育士の資格を取得しているけれど、現在はほかの職種の仕事をしている、という方も多いので、各自治体がそういった方に書面で連絡を入れ、賃金アップなどを図っているので、保育士として仕事をしませんか、という声がけをしている地域もあるようです。
自分が保育士の資格を持っていたことを忘れていたという方もいらっしゃるようなので、これも意外と効果がある様子。
他にも、首都圏などでは賃金面の他にも、資格取得のための補助制度を設けたり、現役保育士のキャリアアップを図るための研修を行って保育の質を上げるなどの政策を行っているのは神奈川県。
東京都に隣接し、共働き夫婦が多く住んでいる県でもあるため、全国的に見ても保育士の需要が増えている県です。
こうして少しずつ動いていくことで、徐々に保育士として働こうという気持ちなる方が増えているので、実際に働く現場でも、新しいスタッフが安心して働くことができるように環境改善に努めているという情報もあります。
保育士が長く働いている園になると、新卒から定年まで同じ園で仕事をしている、という保育士もいる反面、保育士の離職率がかなり高い園は、若い保育士のほとんどが一年持たずに辞めてしまう、というところもあるようです。
賃金が上がっても…
これは残念ながら、それぞれの園の環境によるものだと思われますので、賃金を上げたからといって解決するものではありません。
より離職率を下げる、保育士の定着率を上げるために、スタッフ同士が快く協力し合っている現場、困ったときに支えあって問題を解決している現場をつくることは、とても重要だと思います。
古株の方が威圧感をあたえるような対応をしないこと、新しいスタッフがわからないことを訪ねやすいような環境を整えることで、保育士の定着率はかなりよくなっていくはず。
その結果、「この保育園はとてもいい園だ」という評価にも繋がっていくのではないでしょうか。
子どもは大人の様子をよく見ていますので、保育士が楽しそうに働いていれば、園児もおのずといきいきしてくるものです。
まだまだ保育士が不足している地域は多いですが、小さな努力をすることで、保育士として働きたいという気持ちになってもらえるものですし、また長く同じ園で働いていただけるということもあると思います。
国が賃金問題を解決すると共に、園が環境改善に努めれば、保育士という仕事がとても人気のある仕事になるかもしれませんね。