児童厚生員とはどういう仕事か
児童福祉を目的とした施設に勤務するための仕事として「児童厚生員」というものがあります。
この児童厚生員は簡単にいえば地域の児童館を訪れる子供に対し発達を促すためのさまざまな方法を提供するということです。具体的には子供が行う遊びやゲーム、運動、自然観察、音楽・絵画などの芸術表現について、どういった促し方をすることでより健全な発達をすることができるかを考え、その児童の資質にあった方法を教えたりしていきます。
児童厚生員は現在資格による認定制度をとっており、三段階で資格を区別して業務内容を分けています。具体的には「児童厚生二級指導員」「児童厚生一級指導員」「児童健全育成指導士」という名称です。
また児童厚生一級指導員の特別な業務を行う人材として「児童厚生一級特別指導員」という役職を設けてもいます。
これらは厚生労働省の管轄のもと、学識経験者との協議をへてより実情にあったものになるよう制度を常に見直すような体制が整えられています。
児童厚生員の資格を得るには
児童厚生員となるためには、まずは厚生労働省による認定試験に合格をしなくてはいけません。
実際の資格試験は一般財団法人 児童健全育成推進財団によるものとなっており、現在児童館や放課後児童クラブといった福祉施設に勤務をされている方を中心に養成のための研修を随時行っています。それまで児童厚生施設での勤務経験がない方の場合には認定校の養成課程をすべて受けなくてはいけませんが既に別の形で勤務をされている人の場合には単位の取得をしなくても研修を受けるだけで資格をえることができます。
ただしいきなり上位資格を受講することはできず、児童厚生二級指導員からスタートしてそこから研修を重ねていくことになります。保育士の場合、児童福祉施設での勤務をする際に厚生労働省令での「児童の遊びを指導する者」として該当するため、児童館での勤務を優先的に行うことができるようになっています。まずは児童館に保育士として勤務をし、そこから児童厚生二級指導員の資格を得て徐々にステップアップしていくという働き方ができます。
具体的な活動内容
児童厚生員となった場合の具体的な活動内容ですが、放課後など児童館に集まる子供たちと一緒に遊びをしていくということが主になります。
実際に行われているものとしては、サッカーやローラースケートのような子供に人気の高い体力増進のための運動をはじめとし、野球や缶蹴り、キックベースといった手軽に行うことができるスポーツの方法を子供たちに教えていきます。
他にもおままごとや遊具を使った遊びのように、運動をしながら社会的なルールを教えていくための活動も同時に行います。ごく簡単にまとめるならば「子供に遊びを正しく教えるための人材」と言ってもいいかもしれません。
ただしこのときには遊びを教えながらも、きちんと子供たちの健康や安全管理をしていく必要があります。子供を一方的に管理して遊ばせるのでもなく、子供の自主性を尊重しながらそれぞれが自分の責任において遊びをしてくことができるようになるということが児童厚生員としての究極的な目標となります。