体の動かし方を教える仕事
一昔前までは、子供といえばいつも屋外を元気に走り回っているものでしたが最近は自由にそれもできなくなってしまいました。
公園など屋外施設で事故が起こったことや不審者による連れ去りの事例が起こったことにより、子供を安全に遊ばせることができる場所が少なくなったことと、テレビゲームなど屋内での遊具が主流になってきたためです。
しかし子供時代に体をしっかり動かすことができないと、大人になったときに基礎体力を十分に備えることができずに病気になりやすい体になってしまいます。
そこで今注目をされているのが子供たちに安全に体の動かし方を指導していく「幼児体育指導員」という仕事です。
幼児体育指導員は公益財団法人日本幼少年体育協会の主催により認定制度がとられており、検定合格者は幼児向けの施設でそれぞれ指導員として仕事をしていくことができるようになります。
今現在保育士や幼稚園教諭として勤務をしている人が検定を受けてスキルアップをし、現在の業務に生かすというようなケースも多くなっており、今後の注目度はより高まっていくことでしょう。
幼児体育指導員の検定を受けるには
幼児体育指導員という認定制度が登場した背景には、幼稚園や保育園などの施設における「運動あそび」がこれまではそこに勤務するスタッフで共通認識がなく、それぞれバラバラの基準で行ってきたということがあります。
そこで子供時代の運動としてより適するものを協会として選び、検定を受ける人たちに共有して行っていけるようにしたというのが趣旨となっています。
子供の運動あそびはこれまでは特に専門性の必要のない自由な分野として扱われてきましたが、最初に述べたような事情により子供同士で遊びの方法を伝え合うという機会が減り、また体を動かせる場所も少なくなってきたことでより現状にあった体の動かし方を特別に学ぶ体制を整える必要が出てきたというわけです。
幼児体育指導員の検定は日本幼少年体育協会の開催するスケジュールに合わせて参加をして行います。
検定は全部で3日間あり、そこで座学と実技の二種類を実際に体験しながら実習していきます。
検定最終日には試験が行われるので、そこで合格をすることで認定証を受け取ることができます。
もし最終日に不合格となった人も追試や後日のサポートがあるので、何度もチャレンジをして技能を身につけることができるようになっています。
一般の人が参加できる講習会もあります
幼児体育指導員という資格認定とは少し話が離れますが、この子供向けの運動あそびについては保育の現場で勤務をする人以外も受けることができる講習会があります。
こちらは検定よりも少し内容もゆるやかになっており、これまで全く保育の仕事に携わったことのない一般の方やこれから保育業界に入りたいと思う人でも簡単に受けることができます。
日程は1~2日くらいで、子供のための演目を楽しく学んでいきます。
一般向け講習会は7~8月の夏季期間に集中して各地で開催しているので、保育園や幼稚園など児童施設で一つの行事として開催するというのもよい方法です。