拘束時間の長さ
保育士を辞めたいと思うときの理由のひとつとして、「拘束時間が長い」ということが挙げられます。
保育士の勤務時間は、多くの場合が早番と遅番のシフトで組まれ、交代でシフトインして勤務する形になるかと思いますが、早番も遅番も合わせると、だいたい朝は7時くらいから勤務が始まり、夜は20時から22時くらいまで残ることが多いと思われます。
早番は7時から16時、遅番は20時までと仮定して11時ごろからシフトインするところが多いようですが、早番の場合は、7時に勤務を開始しても、定時の16時で帰れるということはまずありません。
保育園は15時からおやつの時間になり、16時くらいからだいたい子供たちがそれぞれ自由に遊び始めますが、そのころから保護者の送迎も始まりますので、保護者に捕まってしまったら話し込んでしまうと途中で話を中断して帰るというわけにはいきませんし、子供たちに遊んでほしいとせがまれたら、多少は付き合ってあげないとかわいそう。
そうこうしているうちに、あっという間に17時、18時となっていきますので、気づけば11時間近く拘束されているということも。
遅番の場合は勤務開始時間が遅いのでまだよいかと思われますが、それでも最後までいると帰宅後何もできないから、早番を希望する人のほうが多いようです。
いずれのシフトにせよ、拘束時間が長いことには変わりありません。
残業代が出ないことも
また、残業となってしまった場合の残業代が出ないところも多いので、さらに辞めたいと思ってしまうのではないでしょうか。
定時で帰ろうと思ったときに保護者から呼び止められ、相談を受けたり雑談をしていた分を残業にカウントすることは難しいので、結局サービス残業という形になってしまう様子。
これは辞めたいと思ってしまうのも無理はないですよね。
できるだけ、実働時間を守って帰ることができればよいと思うのですが、なかなかそうはいかないのが現実です。
送迎が始まる前に帰宅することができれば、まだ早く帰れるのかもしれません。
定時で帰ることができれば、保育士不足などもだいぶ解消できるのではないでしょうか。
こうした拘束時間に関しては保育園側で対策を始めているところもあります。
例えば、保育士がどれだけ残業しているかを把握するための勤怠管理クラウドの導入などです。
今までは紙のタイムカードで管理をしていたため、経理が前月1ヶ月間の情報をデータ化するという方法でした。
それをクラウド化することで、各保育士が出勤時と退勤時に打刻した情報を管理者もすぐに確認ができるようになりました。
保育士の仕事はとてもやりがいがありますし、子供達の笑顔に囲まれて働くことができるすばらしい職業ですが、拘束時間が長いと、心身ともに疲れてしまいます。
疲労から鬱などを誘発することもあるようですので、少しでもゆとりの気持を持って働くことができるように、一日でも早く拘束時間が長いという問題について解決されるとよいですね。